肌のハリ・弾力がない!原因は?
気がつかないうちに肌のハリが失われてしまうと、ほうれい線や毛穴が目立つようになり、フェイスラインがたるんで老けた印象に。
「年のせい」と放置すると、どんどんたるみが進み、鏡を見るのも憂鬱になってしまいます。
肌のハリが失われる原因は年齢だけではなく、普段の生活習慣も影響しています。
肌がたるむ原因を知り、適切なケアでハリのある肌をキープしましょう。
肌のハリの仕組み
「肌のハリ」は、どのようにして作られているのでしょうか?肌の仕組みを見ていきましょう。
ハリのある肌とは?
うるおいとともに、美しい肌の条件である「ハリ」。
重力に負けずピンと張った肌には弾力があり、シワやタルミを寄せ付けません。
引っ張ったときにある程度の強度があり、指で押したときにも弾力で肌が戻ります。
肌を押してみることで、どの程度のハリがあるか自分で確かめてみてください。
<参考サイト>
・解明。肌のハリを測る、新しい方法。|SK2
主にハリを作り出す真皮
肌は外側から順に、表皮、真皮、皮下組織の3層で成り立っています。このなかで主にハリを支えるのは、真皮です。
真皮では伸縮性の少ないコラーゲン繊維が網の目のように張り巡らされ、これを弾力のあるエラスチン繊維がつなぎとめています。
そのすき間を、ゼリー状で保水効果の高いヒアルロン酸が埋め尽くしており、構造全体でクッションのように表皮を支えることで、ハリが生まれます。
そのほか、真皮に栄養を送り届ける血管や、脂肪によって肌内部を保護・保温している皮下組織、豊かな表情を作り出す30種以上の表情筋などが関係し、総合的にハリを作り出します。
肌の弾力が失われる原因
肌のハリが失われる原因は、加齢だけではありません。
肌の乾燥や生活習慣も、肌の弾力低下につながる場合があります。
環境要因
紫外線と肌の乾燥は、肌のハリに大きく影響します。
表皮を透過して真皮にまで到達する紫外線・UV-A波が、弾力を生み出すコラーゲン繊維を傷つけたり、エラスチン繊維を変性させる酵素の分泌を促すことで、肌細胞にダメージを与えます。
肌が乾燥すると角質層のバリア機能が低下し、紫外線や大気中の汚染物質、花粉などの外部刺激によるダメージから肌を守ることができません。
肌の水分量低下もまた、弾力の低下に直結します。さらに、冷たい外気や薄着で身体が冷えると血管が収縮し、肌細胞の酸素や栄養が不足して真皮の機能を低下させます。
加齢による要因
年齢を重ねるとコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生み出す繊維芽細胞が減少し、肌の弾力が失われていきます。
例えばコラーゲン量は、40代では20代の頃の半分に、60代では2割弱にまで減少しています。
加齢による抗酸化力の衰えや、女性ホルモンが減少してコラーゲンやエラスチンの生成が減ることで、肌にハリがなくなっていきます。
特に、女性ホルモンの減少が急激に起こる閉経前後の更年期時期には、注意が必要です。
生活習慣のなかの要因
生活習慣の乱れが、少しずつ肌のハリを奪ってしまいます。
不規則な生活、睡眠時間の不足が肌のターンオーバーを滞らせ、偏った食生活では肌が栄養不足に。
糖分の摂り過ぎは肌の糖化を引き起こして、コラーゲンやエラスチンを変性させてしまいます。
喫煙はコラーゲン生成に必要なビタミンCを大量消費したり、活性酸素を増やしたりと、ハリにとっていいことはありません。
ほかに活性酸素を増やす生活習慣として、過剰なストレス、冷え、運動不足や逆に激し過ぎる運動、過度の飲酒が挙げられます。
意外なものでは、タンパク質を激減させるような過激なダイエット、過度な洗顔や化粧品の使い過ぎによる肌刺激の増加、表情筋に影響する猫背などが、肌のハリを失わせているかもしれません。
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・肌をたるませる原因!老化架橋って何?
肌のハリを取り戻すための対策
肌のハリを取り戻すには、どのような対策を取ればいいのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
毎日の紫外線対策
室内にいる時間も含め、肌は一年中紫外線を浴びています。
紫外線を防止できる化粧品や日焼け止め、帽子や日傘も活用して、日常的にハリをケアしましょう。
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・紫外線による光老化の悪影響
ハリ対策のスキンケア
肌老化の元になる汚れを毎日の洗顔で落とすのはもちろんのこと、洗顔後には美容成分入りのクリームなどで十分に保湿し、真皮内の機能を高めます。
バリア機能と保水力をあわせ持つセラミドや、ビタミンC誘導体、アステキサンチンといったアンチエイジング成分などが、ハリの維持に役立ちます。
化粧品に配合されたコラーゲンは体内で分解されてしまい、そのままハリになるわけではありません。
むしろコラーゲンの産生、維持をサポートする力に注目して、美容成分を選びましょう。
顔のマッサージ、トレーニング
フェイスマッサージで血液やリンパの流れが良くなると、肌に栄養がいきわたり老廃物が排出されて、むくみ解消、ハリアップにつながります。
余計な刺激を避けるためにマッサージクリームを使って肌の滑りを良くすること、1日に3~5分程度のマッサージを毎日の習慣にするのがポイントです。
表情筋を鍛えるトレーニングを取り入れてみましょう。
口元をしっかりと動かす「あ・い・う・え・お」体操なら手軽で、フェイスラインの引き締めが期待できます。
生活習慣での対策
毎日の食事が、肌も含めて全身の栄養となります。
コラーゲン産生に役立つビタミンA・C、鉄分や亜鉛などのミネラル、抗酸化成分となるポリフェノール、ハリをサポートするイソフラボンやパントテン酸などを含む食材を、意識して選んでみてください。
タンパク質が豊富な肉や魚は、コラーゲンやエラスチンの元となります。バランスよくメニューに加えましょう。
肌老化を促す脂肪や糖質の摂り過ぎには要注意です。
適度な運動は代謝力、免疫力をアップさせ、血行を促し抗酸化力を高めます。
運動が苦手な方も、美肌のために軽い体操やストレッチ、ウォーキングなどを習慣にしたいですね。
肌の新陳代謝は入眠後2~3時間頃に活発になります。
質の高い睡眠のため、リラックスして心身を休められるような夜の過ごし方を大事にしてください。
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・お肌を若く保つための方法
美容機器、施術での対策
ハリを失わないための美顔器にも、例えば血行や肌細胞を活性化させる超音波美顔器、美容成分を効率的に浸透させるイオン導入美顔器のほか、ローラータイプ、LEDタイプなど様々な商品があります。
美容皮膚科や美容外科では、ヒアルロン酸やビタミン、プラセンタの注入、フォトフェイシャルなど、ハリに効果的な施術を受けることができます。
肌が生まれ変わるまでの期間は、加齢によって2~3ヶ月など伸びていきますが、真皮の場合さらに長い時間がかかり3~5年ともいわれます。
一度失われたハリを取り戻すのは難しく、その間にも肌の老化は進行しています。
ハリが失われてしまう前から、予防的にケアをしていくことが大切なのです。
以上、肌がたるむ原因と、その対策について紹介しました。
特別なケアをしなくても、毎日の生活習慣を見直すだけで、肌のハリを保つことができます。
肌の仕組みやスキンケアの正しい知識を身に付けて、いつまでも若々しい肌をキープしましょう。
肌がたるむ原因は?ハリのある肌を取り戻そう!・まとめ
- ハリのある肌には弾力があり、指で押すと戻ってくる
- ハリは真皮構造を中心に、周辺組織や筋肉により総合的に生み出される
- 紫外線や乾燥、加齢による老化がハリの低下につながる
- 生活習慣の乱れは、肌の弾力を失わせてしまう
- 毎日の紫外線対策、スキンケアの継続を大切に
- マッサージや表情筋トレーニングがハリアップに効果的
